2024年、暗号通貨の世界はまたしてもホットな状況になっています。3月に入り、ビットコインは史上初めて7万ドルを突破し、新たなマイルストーンを打ち立てました。この印象的な価格上昇は、暗号通貨市場全体に活気をもたらし、投資家や分析家たちを沸かせています。
ビットコインの価格上昇の背景にはいくつかの要因が考えられ、第一にインフレや地政学的な不安定さを背景に、デジタルゴールドとしてのビットコインの魅力が高まっていること、またインスティテューショナル・インベスター（機関投資家）の市場参入により、これらの大手投資家がビットコインに資金を投入することで、市場の信頼性が高まり、価格が押し上げられています。昨年認可されたビットコインETFも一因であることは言うまでもありません。
上昇を続けるビットコインですが、その一方で2024年4月頃に半減期が予定されていることを忘れてはいけません。ビットコインの半減期は、約4年ごとに起こるイベントで、マイナーに支払われる報酬の量が半分になることを意味します。歴史的に見ると、半減期はビットコインの価格に大きな影響を及ぼしてきました。今回の半減期では価格が上昇するか下落するか、投資家や市場分析家たちは様々な意見を戦わせていますが、一旦下落するのではないかと見られています。
この半減期の前に、ビットコインはどこまで上昇するのでしょうか？また、10万ドルまで上昇するのはいつ頃になるのでしょうか？
歴史的なデータと傾向：以前の半減期と市場の反応
ビットコインの半減期は、マイニングによって生成できるビットコインの量が半分になることを意味し、供給量が減る為価格は上がると普通は考えられるのですが、興味深いことにこれまでの半減期では必ずしもそういう結果にはなっていません。これまでの半減期の直後には一時的に価格の下落が見られています。
2012年の半減期
2012年の半減期直後、ビットコインの価格は一時的に下落しました。これは、市場の期待が高まり過ぎた結果、半減期後の現実的な供給状況と需要による価格調整と考えられます。
2016年の半減期
2016年にも、半減期直後の期間に短期的な価格の下落が観察されました。この期間の下落は、半減期前の価格上昇に伴う利益確定売りによるものと見られています。
2020年の半減期
最も最近の2020年の半減期では、その直後に比較的大きな価格の下落がありましたが、その後は長期にわたる上昇トレンドへと繋がっています。
このように、これまでの半減期から数ヶ月～1年ほど経過した後はいずれもビットコイン価格は上昇に向かっていますが、半減期直後のビットコイン価格は下落しているという点に注意が必要です。一時的な調整期間を経験することがあると言えます。
半減期前にビットコインはどこまで上がるのか
投資家や市場アナリストは半減期の前にビットコインの価格がさらなる高みに達することを期待しています。多くの専門家が半減期前の価格上昇を予測しており、現在7万ドルを突破したビットコインが8万ドルに達するのは時間の問題であるとされています。
価格上昇の根拠
ビットコインの価格は、半減期の前に伝統的に上昇する傾向があります。これは、新たに市場に流入するビットコインの供給量が減少するため、既存の需要とのバランスが変化することに起因します。半減期が近づくにつれ、この供給の減少が予測され、市場は価格上昇に反応することが多いのです。
過去のデータと傾向
過去の半減期を見ると、ビットコインの価格はイベントの前後に顕著な上昇を見せています。たとえば、2020年の半減期の前は、ビットコインは最高値を更新しました。この歴史的なデータは、2024年の半減期に向けた現在の市場動向においても重要な参考点となります。
経済的・技術的要因
ビットコインの価格は、単に半減期のメカニズムだけでなく、グローバルな経済状況、技術的進歩、そして市場参加者の心理にも影響を受けます。例えば、デジタル通貨への一般的な関心の高まりや、金融市場の不確実性が、ビットコインに対する需要をさらに刺激する可能性があります。
半減期の後のビットコイン価格についての専門家の予測と分析
2024年のビットコインの半減期の後、ビットコイン価格がどう変化するか、業界の著名な専門家たちがさまざまな予測をしています。これらの予測は、ビットコインの供給減少、市場の動向、そして経済全体の情勢を反映しています。
マイケル・ノボグラッツの見解
マイケル・ノボグラッツ（Galaxy DigitalのCEO）は、半減期後のビットコインが$150,000に達すると予測しています 。彼はデジタル経済におけるビットコインの役割を重視し、特に若い世代がデジタル資産を経済改革の手段として選択していることを指摘しています。彼の予測は、ビットコインの制度的な採用が増加すると共に、価格が上昇するという見解に基づいています。
フレッド・シールの予想
フレッド・シール（Marathon Digital HoldingsのCEO）は、ビットコインが$120,000に到達すると予想しています。彼はビットコインの限定された供給と価値保存手段としての役割に注目しています。また、ビットコインETFの登場によって市場に安定性と流動性がもたらされると考えています。
トム・リーの分析
トム・リー（Fundstrat Global Advisorsの共同創業者）もまた$150,000の予測に同意しています。彼はビットコインの限られた供給と半減期のイベントが価格を押し上げる要因と考えています。リーはビットコインの独自のセキュリティや経済的・政治的影響からの免疫力など、その基本的な特性を強調しています。
これらの専門家の予測は、ビットコインの将来の価格動向に対する幅広い見解を提供しています。ビットコインの半減期は重要なマーケットイベントであり、その価格動向は多くの投資家にとって大きな関心事となっています。
まとめ
ビットコインの半減期に伴う市場の変動は、短期的な投資戦略に影響を及ぼす可能性があります。しかし、投資家は長期的な視点を持ち続けることが重要です。半減期の影響は一過性のものであるため、その後の価格動向を予測する際には、より幅広い経済的および政治的要因を考慮する必要があります。2024年末までにビットコインの価格が15万ドルに達するという専門家も少なくありませんが、当ブログでは10万ドル程度に収まるであろうという見通しを立てています。
この見通しは2024年に実施されるアメリカの利下げ、日本のマイナス金利解除、そして大統領選の3つの大きな経済・政治イベントに基づいています。アメリカの利下げにより、流動性が増加しリスク資産への投資が刺激されるでしょう。このことはビットコインの価格上昇に寄与するでしょう。また一方で、日本がマイナス金利政策を解除することは、世界経済における通貨価値の再調整を促し、ビットコインのような非伝統的資産に対する投資者の行動に影響を及ぼすと見られます。さらに、アメリカの大統領選の結果は市場の不確実性を高め、短期的な価格変動を引き起こす要因となるでしょう。これらの要因を総合し、ビットコインの価格は2024年末には約10万ドルに収まる可能性が高いと考えられます。
※当ブログで紹介している情報・データは正確を期すよう努力していますが、誤りや変更が生じる可能性があります。投資判断はあくまで自己責任で行っていただくようお願いします。
