Finance Wisdom

【毎日更新】株式投資、新NISA、不動産投資、暗号通貨への理解を深め投資の賢人を目指す為のインフォハブ

〈景品表示法に基づく表記〉当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
最新の話題に関する記事を365日、毎朝アップしております。全て無料でお読みいただけますので是非読者登録をお願いいたします。

年末には1ドル=180円に トランプ円高はやってこない、その理由とは

【PR 通勤時に投資を学ぶにはAmazonのAudibleが最適。ほら、投資に関する書籍がこんなに沢山聴き放題。今なら30日間無料。もちろん無料体験後に解約OK!】


エブリシング・バブル 終わりと始まり――地政学とマネーの未来2024-2025

今月の当ブログお薦め書籍

エブリシング・バブル 終わりと始まり――地政学とマネーの未来2024-2025 エミン・ユルマズ

  • 日経平均株価は2025~26年に5万円を付け、2050年には「30万円時代」がやってくる!★これから日本と世界に何が起きるのか?☆世界経済と株価はどうなるのか?★資産形成は何を選び、何を避けるべきか?☆米中新冷戦で日本に世界のマネーが集まるのはなぜなのか?数々の予見で注目のエコノミスト、グローバルストラテジストが語る、中長期的に日本の黄金時代が訪れる理由。
Amazon

「円高トランプ」神話の崩壊

2025年の米大統領選で再び政権に返り咲いたトランプ大統領。その一報を受けて、「円高が来る」と予想する声が一部で広がりました。かつての政権時代に日本を「為替操作国」と名指しし、貿易赤字への怒りをあらわにしたトランプ氏の姿が記憶に焼き付いている人々にとっては、今回も同様の展開を想像したのでしょう。

しかし、為替市場は冷静でした。円高どころか、むしろドル高が進行し、円は下落基調を強めています。ここで改めて問い直すべきなのは、「トランプ=円高」という構図は本当に正しいのか、ということです。歴史的に見ても、トランプ政権下で急激な円高が進行した事実はありません。むしろ、株高と金利上昇に支えられてドルが買われ、円安が加速したというのが実態です。

トランプ氏は確かに言葉が過激で、しばしば市場を揺さぶります。しかしその発言と、実際に市場を動かす政策や経済構造とは必ずしも一致しません。たとえば「ドルが強すぎる」と発言した直後でも、金利差や景気の強さによってドルがさらに買われたことは記憶に新しいはずです。

投資家の中には、トランプ氏が再び日本に為替圧力をかけ、「円高誘導」を仕掛けてくるのではと警戒する向きもあります。確かにそれは政治的カードとして存在し得ますが、それが実際に円高をもたらすかは別問題です。為替市場は一国の意向だけで動くほど単純ではありません。

重要なのは、トランプ氏の発言を一過性のノイズと捉えるか、それとも本質的な転換と見るかという視点です。今のところ、市場は前者として冷静に処理している印象です。つまり、「円高トランプ」は幻想であり、その幻想に踊らされることは、誤った投資判断につながりかねません。

 

奇抜な関税政策で世界を揺るがすトランプが望んでいるのはむしろドル高?

トランプ大統領といえば、その象徴的な経済政策は「関税」です。政権復帰後も早々に主要国との貿易見直しを掲げ、特定の国からの輸入品に対して関税を強化する方針を打ち出しました。こうした奇抜とも言える政策は、短期的には貿易摩擦を引き起こす一方で、実は為替市場にとってある種の「ドル高材料」になり得るのです。

その理由は明白です。関税が高くなれば、海外からの製品価格が上昇し、それに伴って米国内の物価も押し上げられる可能性があります。このインフレ圧力は、米国の中央銀行に金利を引き上げる圧力をかける要因となり、結果として「ドル高」を招くわけです。

さらに、トランプ政権のもうひとつの柱である「アメリカ・ファースト」は、国内投資を促すと同時に、海外からの資本流入を引き寄せる構造をつくります。つまり、ドル建て資産に魅力が増せば、世界中から「ドル買い」が起こるのは自然な流れです。これはまさに、トランプ自身が結果的に望んでいるとも言える「強いドル」の姿ではないでしょうか。

表向きには「ドル高は製造業を苦しめる」と批判的な姿勢を見せつつも、実際にはその経済政策がドル高圧力を強めているという点は、極めて矛盾しています。ですがこの矛盾こそが、彼の「ビジネス的」な本質を表しているとも言えます。

輸入製品に関税をかけ、国内生産を促進し、結果としてインフレを招き、利上げを誘導する。この一連の流れが為替にどう影響するかを考えれば、「トランプ政権下では円高になる」とする意見がいかに浅はかか、浮き彫りになるでしょう。

 

円安を加速させる日本のマクロ構造

一方で、円安を加速させている最大の要因は、実は日本国内にあります。つまり、ドル高ではなく、構造的な「円の弱さ」こそが、本質的な問題なのです。いくらアメリカが円高を望んだとしても、日本がそれに応えられる体力を持っていなければ、為替は動きません。

まず第一に挙げられるのは、日米の金利差です。アメリカは依然として利上げを選択肢として残している一方、日本は長年続く超低金利政策から完全には脱却できていません。この金利差は、当然ながらドル買い・円売りを促進します。為替市場では、金利が高い通貨に資金が流れやすいのは基本的な原理です。

次に、エネルギーや資源をほぼ輸入に頼る日本の経常収支構造にも注目すべきです。原材料価格の高騰が続く中、輸入コストが膨らみ、それが為替市場での円売りを後押しする要因となっています。製造業がかつてのような「輸出大国」としての地位を維持できなくなっている今、円買いの原動力が弱体化しているのです。

さらに、日本の財政不安や人口減少といった長期的な課題も見逃せません。国内市場の縮小、社会保障費の増大、労働力不足といった課題が、将来的な成長に対する期待を削ぎ、通貨としての「円」の魅力を相対的に下げています。

こうした背景を総合的に見れば、たとえアメリカが円高を希望したとしても、それを支える材料が日本側に存在しないという現実に行き着きます。円は構造的に弱く、外部からの圧力だけで反転するような単純な通貨ではないのです。

 

為替市場が織り込む「180円」への現実路線

為替相場が1ドル=180円という水準に達するなど、一昔前であれば想像すらされなかったかもしれません。しかし2025年現在、その可能性がまったくの非現実とは言い切れない状況が続いています。市場ではすでに170円台も視野に入る中で、180円という水準が意識されるようになってきたのは、単なる思惑ではなく、現実的なシナリオとしての認識が広まりつつあるからです。

その大きな要因のひとつは、やはり日米の金利差です。アメリカはインフレ抑制のために高金利政策を維持し、追加利上げも辞さないというスタンスを見せています。一方で日本は、ようやくマイナス金利を解除したとはいえ、そのペースは極めて緩慢であり、実質金利で見ても大きな開きが残ったままです。こうした金利差が資金の流れを決定づけ、円は売られやすくなっています。

また、地政学的リスクの高まりもドル買い・円売りの動きを後押ししています。国際的な緊張が高まる局面では、リスク回避のために安全資産であるドルに資金が集まる傾向があり、日本円もまたかつてはその対象とされていました。しかし今では、その立場が明らかに弱まっているのです。

加えて、2025年に入ってからの日本国内の消費者マインドや物価の推移を見ても、通貨の価値を押し上げるような要素は乏しく、円安基調が続く下地が整っている状態です。投資家たちは、トランプ大統領の再登板やアメリカの政策転換よりも、こうした地に足のついた要素を重視し、180円という節目を現実として見据え始めています。

つまり、180円という為替水準は、「突飛な予想」ではなく、「マーケットのコンセンサス」に近づきつつあるのです。そしてそれを支えているのは、政治的な発言よりもはるかに重い、金利、貿易、資本移動といった経済の本質なのです。

 

マーケットは「トランプの言葉」では動かない

確かに、トランプ大統領の発言はしばしばマーケットを一時的に揺らします。過去にはSNS上での一言が株価を大きく動かすこともあり、為替レートが一瞬で反応することもありました。しかしそれはあくまで短期的なボラティリティにすぎません。中長期的に見れば、市場は「言葉」ではなく「行動」を重視します。

実際、2017年からの前政権時代にも、トランプ氏はたびたび「ドルは強すぎる」と批判を繰り返しましたが、それでもドルは強含み、円はじわじわと安くなっていきました。その理由は明白です。市場は大統領の発言よりも、中央銀行の金利政策、実際のマクロ経済指標、国際的な資金の流れに反応するからです。

現政権でも同様の構図が繰り返されています。トランプ氏が再び円高を求める姿勢を見せたとしても、為替市場はそれを一過性の政治的パフォーマンスと受け止め、本質的には政策の実効性や利上げ・利下げのタイミングを重視しています。特にFRBがインフレの高止まりに警戒を強めている現在、市場の注目は中央銀行に集中しており、大統領の口先介入は効果を失いつつあります。

このように、トランプ発言を過度に重視しすぎることは、かえって投資判断を誤らせる危険性を孕んでいます。冷静な投資家であれば、騒がしい言葉に振り回されず、むしろその裏側にある市場の論理を読み解く力が求められます。

 

投資家が取るべき立場と備えとは

ここまで見てきた通り、「トランプ=円高」という公式はもはや通用しません。市場はトランプ氏の言葉よりも、経済の実態、政策の整合性、そして金利差や資本の動きを冷静に見ています。その中で、日本円は依然として弱く、180円という水準すら現実味を帯びてきている状況です。

では、個人投資家はこうした為替環境のなかで、どのような立場を取るべきなのでしょうか。

まず大切なのは、「言葉」より「構造」に注目することです。感情的なニュースや政治的演出に過剰反応せず、経済の本質を見る姿勢が何よりも重要です。日本円が弱くなっているのは、トランプ氏の再登板が原因ではなく、むしろ日本自体の構造的問題が主因であるという現実を直視することが求められます。

次に、為替リスクへの備えです。特に円建て資産しか持っていない人にとっては、円安の進行が実質的な資産目減りにつながる可能性があります。そのため、外貨建て資産への分散や、為替ヘッジ商品の活用など、リスクを限定しながらリターンを追求する戦略が求められるでしょう。

また、為替が180円になった場合の物価上昇や海外旅行コスト、輸入商品価格の上昇など、生活に直結する変化にも備えておくべきです。為替は単なる数字ではなく、我々の暮らしにも影響を及ぼす現実的な要素なのです。

最後に、どのような時代であっても、投資家にとって最も重要なのは「流されないこと」です。マーケットの本質を見極め、短期的な騒動に惑わされず、自分自身の戦略と軸を持つことが、長期的な成功への鍵となります。

 

※当ブログで紹介している情報・データは正確を期すよう努力していますが、誤りや変更が生じる可能性があります。また、当ブログは投資の勧誘・推奨を目的としたものではありません。投資判断はあくまで自己責任で行っていただくようお願いします。