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今さら聞けない、リセッションとは

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リセッションとは

リセッション(Recession)とは、経済活動が縮小する期間を指し、一般的には国内総生産(GDP)が連続して減少することによって定義されます。具体的には、経済成長が一時的に停滞し、マイナス成長となる状況です。この期間には、企業の生産活動が減少し、消費者の購買力が低下し、失業率が上昇することが一般的です。

リセッションは通常、経済の自然なサイクルの一部として発生します。経済は成長期と縮小期を繰り返す傾向があり、成長期には需要が増加し、企業が拡大し、雇用が増える一方で、縮小期にはこれらの活動が停滞することになります。リセッションはこの縮小期の中でも特に深刻な状態であり、持続的な経済の落ち込みが見られる時期を指します。

 

リセッションの原因

リセッションが発生する原因は多岐にわたります。経済は非常に複雑なシステムであり、さまざまな要素が相互に影響し合う中で、リセッションが引き起こされることがあります。ここでは、リセッションを引き起こす主な要因をいくつか紹介します。

1. 需要の低下

消費者や企業の支出が減少すると、経済全体の需要が縮小します。これが続くと、生産が減少し、企業は収益を上げにくくなります。結果として、雇用が減少し、失業率が上昇することで、さらなる需要の低下を招く悪循環に陥ります。例えば、大規模な失業や消費者信頼感の低下は、消費支出の減少につながり、リセッションの原因となることがあります。

2. 金融危機

金融システムの不安定化は、リセッションを引き起こす大きな要因です。金融機関が抱える不良債権が増大すると、貸し出しが抑制され、企業や個人が資金を調達しにくくなります。この資金繰りの悪化は、投資や消費の減少を招き、経済活動全体の停滞につながります。リーマンショック(2008年)のような金融危機は、経済全体に深刻な打撃を与え、リセッションを引き起こしました。

3. 政策の失敗

政府や中央銀行の経済政策が適切に機能しない場合、リセッションを引き起こすことがあります。例えば、金利の過度な引き上げや財政政策の失敗は、経済成長を抑制し、需要を減少させる要因となります。また、貿易政策の誤りや過度な規制強化も、企業活動を阻害し、経済を停滞させる可能性があります。

4. 外部ショック

自然災害、パンデミック、戦争などの外部ショックも、リセッションの引き金となることがあります。これらの出来事は予測が困難であり、突然の供給停止や需要の急激な変動をもたらすことがあります。COVID-19パンデミックは、世界中で経済活動を一時的に停止させ、リセッションを引き起こした典型的な例です。

5. 国際経済の影響

グローバル化が進展した現代では、他国の経済状況が自国に影響を及ぼすことも多々あります。主要貿易相手国の経済がリセッションに陥ると、自国の輸出が減少し、経済全体の成長が鈍化する可能性があります。また、為替レートの急激な変動や国際的な金融市場の混乱も、リセッションの原因となり得ます。

 

歴史に見るリセッションのパターン

リセッションは経済の周期的な現象であり、過去に何度も繰り返されてきました。そのパターンを理解することは、次に来るリセッションを予測し、適切な対策を講じる上で非常に重要です。歴史的に重要なリセッションをいくつか取り上げ、それぞれの特徴と影響を分析します。

1. 1929年の世界大恐慌

1929年に始まった世界大恐慌は、歴史上最も深刻なリセッションの一つです。株価の暴落をきっかけに、銀行の破綻、企業の倒産、失業率の急上昇が相次ぎ、世界中の経済が混乱しました。このリセッションは、世界中で長期間にわたり深刻な影響を及ぼし、各国の経済政策に大きな変革をもたらしました。特に、アメリカではニューディール政策が導入され、政府主導の経済対策が強化されました。

2. 1970年代の石油危機

1970年代に起きた石油危機は、エネルギー価格の急騰により世界経済に深刻な打撃を与えました。石油価格の高騰は、輸入依存度の高い国々にとってインフレーションと景気後退を同時にもたらす「スタグフレーション」という厄介な状況を引き起こしました。このリセッションは、エネルギー政策の見直しや省エネルギー技術の開発を促進するきっかけともなりました。

3. 2008年のリーマンショック

2008年に始まったリーマンショックは、サブプライム住宅ローン危機に端を発し、世界的な金融危機を引き起こしました。リーマン・ブラザーズの破綻を契機に、信用収縮が進み、金融機関や企業の倒産が相次ぎました。これにより、失業率が急上昇し、消費と投資が大幅に減少しました。リーマンショックは、金融規制の強化や中央銀行の役割の再評価を促し、現在の金融システムに多大な影響を与えています。

4. COVID-19パンデミックによるリセッション

2020年に始まったCOVID-19パンデミックは、世界中の経済活動を一時的に停止させ、リセッションを引き起こしました。パンデミックにより多くの国でロックダウンが実施され、企業活動や消費が急激に縮小しました。このリセッションは、デジタル経済の急速な発展とテレワークの普及など、新たな経済構造の変化をもたらしました。また、各国政府や中央銀行は未曾有の規模で財政出動と金融緩和を行い、経済を支えました。

5. 日本の「失われた10年」

日本では、バブル経済の崩壊後の1990年代に長期にわたるリセッション、いわゆる「失われた10年」を経験しました。不動産や株式市場の崩壊により、銀行の不良債権が増加し、企業の倒産や失業が増加しました。この時期、日本経済はデフレーションに苦しみ、経済成長が著しく停滞しました。この経験は、金融政策や構造改革の重要性を再認識させるものでした。

 

リセッションが経済に及ぼす影響

リセッションが経済に与える影響は、広範かつ深刻です。経済活動の停滞は、企業、労働市場、消費者、そして政府に至るまで、あらゆるレベルで波及効果をもたらします。ここでは、リセッションがもたらす具体的な影響をいくつかの側面から詳しく解説します。

1. 企業への影響

リセッションにより需要が縮小すると、多くの企業が売上の減少に直面します。これに伴い、企業の収益が減少し、コスト削減のためにリストラや賃金の引き下げが行われることが一般的です。また、投資や設備投資の延期や中止も多く見られるようになります。特に、中小企業や新興企業は資金繰りが悪化し、倒産のリスクが高まることがあります。

2. 労働市場への影響

リセッションは、労働市場に深刻な影響を与えます。企業がコスト削減を進める中で、雇用の削減が進行し、失業率が上昇します。特に、非正規雇用や契約社員が解雇されやすい状況になります。また、求職活動が困難になり、長期失業者が増加する傾向が見られます。これにより、労働者の所得が減少し、消費活動がさらに落ち込むという悪循環が生じます。

3. 消費者心理と消費行動への影響

リセッションは、消費者の心理にも大きな影響を及ぼします。経済の不確実性が高まる中で、消費者は将来への不安から支出を控えるようになります。この結果、耐久消費財や高額商品への需要が減少し、小売業界も打撃を受けます。また、貯蓄傾向が強まり、経済全体の消費活動が低迷します。消費者信頼感指数の低下は、リセッションの進行をさらに助長する要因となります。

4. 金融市場への影響

リセッションは金融市場にも直接的な影響を与えます。株式市場は通常、リセッションが予測されると下落し、投資家の信頼が揺らぎます。また、企業業績の悪化が株価の下落を引き起こし、金融機関も損失を被る可能性があります。さらに、信用の収縮により、融資が難しくなり、企業や個人の資金調達が困難になることがあります。これがさらなる経済停滞を招く要因となります。

5. 政府の財政と政策への影響

リセッションは、政府の財政にも大きな負担をもたらします。税収が減少し、政府の歳入が縮小する一方で、失業手当や社会保障費の増加など、支出が増加することがあります。このような状況では、政府は財政赤字を拡大させる可能性が高まり、財政健全性が損なわれることになります。また、リセッションに対応するための経済対策や刺激策が求められますが、これもまた財政への負担となります。

リセッションが経済に与える影響は、短期的なものから長期的なものまで多岐にわたります。これらの影響を適切に理解し、早期に対応策を講じることが、経済の回復を促進するためには重要です。

 

リセッションの兆候と予兆の見極め方

リセッションが迫っているかどうかを早期に察知することは、個人や企業が適切な対策を講じるために非常に重要です。ここでは、リセッションの兆候となる経済指標や市場の変化について解説し、それらをどのように見極めるかを説明します。

1. GDP成長率の鈍化

GDP(国内総生産)は、経済の健康状態を示す最も基本的な指標の一つです。GDP成長率が低下またはマイナスに転じると、経済活動が縮小していることを示します。特に、2四半期連続で成長率がマイナスになる場合は、リセッションの定義に該当するため、警戒が必要です。GDP成長率の動向は、リセッションが近づいているかどうかを判断する上で重要な指標です。

2. 失業率の上昇

失業率の上昇は、リセッションが迫っている可能性を示す強力な兆候です。企業が景気後退を予想してコスト削減に動くと、従業員の解雇や採用の抑制が進みます。これにより失業率が上昇し、消費者の購買力が低下することで、さらなる経済悪化が引き起こされる可能性があります。失業率の動向は、リセッションの早期兆候として注視すべきポイントです。

3. 消費者信頼感指数の低下

消費者信頼感指数は、一般消費者が経済の現状や将来についてどのように感じているかを測る指標です。消費者が将来の経済状況に対して不安を感じると、消費支出が減少し、経済成長が鈍化する可能性があります。この指数が急激に低下した場合、リセッションの前兆として捉えることができます。

4. 株式市場の下落

株式市場は、投資家の期待や経済の先行きを反映する場です。市場が大幅に下落し、長期にわたって低迷する場合、投資家が経済の悪化を予想していることを示唆します。特に、主要な株価指数が連続して下落する場合、リセッションの到来が近い可能性があります。市場の動きは、リセッションの兆候を読み取る上で重要な要素です。

5. 企業収益の悪化

企業の収益が減少し始めると、経済全体に影響を及ぼす可能性があります。企業がコスト削減や雇用調整を行うことで、消費者支出が抑制され、さらに企業収益が悪化するという悪循環が生じることがあります。特に、大企業の業績が軒並み悪化している場合、経済全体に悪影響を及ぼし、リセッションが現実味を帯びてくることがあります。

6. 債券市場の逆イールド

債券市場における逆イールドカーブ(短期金利が長期金利を上回る現象)は、リセッションの強力な予兆とされています。通常、長期金利は短期金利を上回るのが自然ですが、逆イールドが発生する場合、市場は将来の経済不安を予想していることになります。過去のリセッションでも、この逆イールドが出現した後にリセッションが発生した例が多く見られます。

 

我々個人投資家はリセッションをどのように捉えるべきか

リセッションは、個人投資家にとって不安を感じさせる時期ですが、同時に大きなチャンスでもあります。

1. リセッションの兆候を見極める

まず、リセッションが迫っているかどうかを見極めることが重要です。経済指標や市場の動きを注意深く監視し、GDP成長率の低下、失業率の上昇、消費者信頼感の低下など、リセッションの兆候を確認することが求められます。これらの指標が悪化し始めた場合、ポジションの見直しを検討する時期が近づいていると考えられます。

2. リスク分散の重要性

リセッションに備えて、ポートフォリオのリスク分散を強化することが重要です。株式市場が急激に下落するリスクを考慮し、債券や金などの安全資産への投資割合を増やすことで、ポートフォリオ全体の安定性を高めることができます。また、異なるセクターや地域に分散投資することもリスクを分散する効果があります。

3. 資金管理とキャッシュポジション

リセッション時には、キャッシュポジションを適切に確保することが重要です。市場が下落した際に、割安な株式やその他の資産を購入するための資金を持っていることが、大きな利益を生む可能性を秘めています。逆に、資金不足で機会を逃すリスクを避けるためにも、必要以上に投資せず、キャッシュを一定程度保有する戦略が有効です。

4. ディフェンシブ銘柄の活用

リセッション時には、景気に左右されにくいディフェンシブ銘柄への投資が有効です。ヘルスケア、消費財、ユーティリティなどのセクターは、景気後退期でも安定した収益を上げやすいため、ポートフォリオに組み込むことでリスクを軽減できます。また、これらの銘柄は配当利回りが高い場合が多く、安定した収益源として機能します。

5. 長期的視点を持つ

リセッション時には、市場が短期的に混乱することが予想されますが、長期的な視点を持つことが大切です。短期的な値動きに一喜一憂せず、質の高い資産を長期保有することで、リセッションを乗り越えた後の回復期に大きな利益を得ることが可能です。リセッションは一時的なものであり、その後の経済回復を見越した投資を計画することが求められます。

6. 自己分析とリスク許容度の再評価

最後に、自分自身のリスク許容度を再評価することが重要です。リセッション期においては、不安や恐怖から投資判断が揺らぐこともあります。そのため、自分の投資目的や時間軸を再確認し、リスクをどの程度許容できるかを冷静に判断する必要があります。この再評価に基づいて、必要であればポジションを調整し、リセッションに備えた計画を立て直すことが求められます。

 

※当ブログで紹介している情報・データは正確を期すよう努力していますが、誤りや変更が生じる可能性があります。投資判断はあくまで自己責任で行っていただくようお願いします。